社日

二十四節気では「秋分」の頃──、
彼岸花が咲き揃い、田園風景を鮮やかに彩ります。

秋分とは、太陽が真東から昇って真西に沈み、
昼と夜の長さがほぼ等しくなる日のこと。
この日を境に少しずつ陽が短くなっていきます。

九月二十七日は、土地の神様を祀る秋の社日(しゃにち)。
季節の変わり目を表す雑節のひとつとして、
各地で大切に受け継がれてきました。

社日は、春分と秋分に最も近い戊(つちのえ)の日を指し、
春の社日は春社(しゅんしゃ)、
秋の社日は秋社(しゅうしゃ)とも呼ばれます。
社日の「社」は土地の守り神のことで、古くは生まれた土地の神様である
「産土神(うぶすながみ)」を参拝する日とされていました。
また、春分と秋分はそれぞれ種まきと収穫期にあたることから、
農事においての節目とも考えられ、
春社には五穀の種子を供えて豊作を祈り、
秋社には初穂を供えて実りへの感謝を捧げたそうです。

今ではあまり馴染みのない社日の慣わしですが、
地域によってさまざまな形で親しまれています。
農耕の神様である地神(じじん)を祀る行事
「地神講(じじんこう)」もそのひとつ。
社日には土を動かすと神様を穢すとされることから農作業を休み、
地神を描いた掛け軸を掲げ、供え物をして地神を祀り、
地域の人びとが集まって酒宴を催します。
供え物には、米や御神酒のほか、
彼岸と同じようにおはぎを供えるところもあるとか。

豊かな恵みをもたらす大地に感謝を捧げる社日。
自然を畏れ敬う先人たちの心が宿った大切な慣わしです。